食べることは、命を支える大切なことです。体の健康を保ち、美味しく食べるために「歯」は欠かすことが出来ないものです。今回は歯の健康について少し考えてみましょう。大切な歯を失う主な原因は、歯周病と虫歯です。特に歯周病は、30歳以上の8割がかかっているといわれており、糖尿病や心臓病と同じように生活習慣病と呼ばれるようになりました。歯周病のピークは45?54歳で約88%ですが、5?14歳の約36%、15?24歳の66%は歯茎に炎症を起こしています。このことから歯周病は、中高年層だけの病気ではなく、若いうちからの予防が大切だということが分かります。(平成11年歯科疾患実態調査より)
歯周病とは、歯肉炎・歯周炎を総称する歯の周りの病気で細菌感染症です。これは歯を支えている歯肉組織が破壊されてついには歯が抜けてしまう病気です。私たちの歯のまわりにこびりつく歯垢は、細菌の塊です。わずか1?の中に10億個の細菌が住み着いているといわれます。その細菌の中に虫歯や歯周病の原因菌がいます。糖尿病・高血圧症などの生活習慣病と共通しているのは初期段階では本人に自覚症状があまりないことです。生活習慣病の一つとされる歯周病も気がついた時には、かなり進行しているケースが多いといわれます。それでは簡単に歯周病の進行を見てみましょう。健康な歯茎はピンク色で引き締まっています。歯肉炎では、歯茎がたまに腫れたり、歯ブラシに血がにじむ程度です。初期の歯周病では歯周ポケットができ、歯が浮くような感じがすることがあります。その後、歯茎がやせたり、ブヨブヨになったり、食べ物が歯に挟まりやすくなったり、口臭がしたり硬いものが食べにくくなります。やがて末期になると歯がぐらついて抜け落ちてしまいます。
歯周病の直接の原因は歯周病菌ですが、歯周病菌のすみかとなる歯垢をためやすい悪い習慣にも注意が必要です。悪い習慣とは、間食が多い・よく噛まず食べる・やわらかいものを好んで食べる・喫煙をする・歯磨きをしないなどです。また健康状態が悪く抵抗力がおちていても、病原菌が暴れやすくなるので注意が必要といわれています。
下記の項目で、1?2項目当てはまれば歯周病の可能性があるといわれています。3?5項目なら初期歯周炎以上に進行している恐れがあります。ご自身で確認して、参考にしてみましょう。
□ 歯茎に腫れた部分がある
□ 口臭がなんとなく気になる
□ 歯茎がやせてきたようだ
□ 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
□ 歯磨きをした後に、歯ブラシに血がついたり、水に血が混じることがある
□ 歯と歯の間の歯茎が、鋭角的な三角形ではなくオムスビのような三角形になっている
□ ときどき、歯が浮いたような感じがする
□ 指で触ってみて、すこしグラつく歯がある
□ 歯茎から膿が出たことがある
歯周病は歯を失う大きな原因であり、歯は食べ物の消化に大切な役目を果たしています。歯を失うと、体全体に大きな影響が及びます。最近の研究では、歯周病菌やそれに起因する毒素や炎症から生じる物質が血流から体に入り心筋梗塞や狭心症、糖尿病など引き起こしたり、悪化させることがあるとの報告がされています。
生活習慣において歯周病の予防を心がけることと、肥満防止に心がけることの共通点がいくつかあります。それは規則正しい食事をして、間食を減らすこと、よく噛んで食べることです。間食を減らせば食物の食べ残しが歯に残る機会が減り歯周病の予防になると同時に肥満の予防になります。また、しっかり噛むことで唾液が十分に出て、口の中をきれいにし歯周病を防ぐ効果があります。
もう一つ歯に悪影響を及ぼすのは、喫煙です。タバコを吸うことで直接、口の中が攻撃を受け、歯と歯茎に悪影響を与えます。体の抵抗力を弱めたり、血管を収縮させ歯茎の血液循環を悪くしたりします。またタール(ヤニ)が歯にこびりつき、歯垢が出来やすく歯周病になりやすい環境をつくってしまいます。歯健康のためにも、ご自身・周囲の方の体の健康のためにも禁煙しましょう。
内科的な健康診断は、職場や自治体などの定期健診で受けている方が多いと思います。ところが「歯の検診」は自分で機会を設けなければ受けることができません。年に1?2回は受けておきたいものです。歯科検診は最寄りの歯科医院などで受けることができますが、
当会の神戸健診クリニックでも「ホワイト健診」として、全身の健診と併せて歯の健康状態の確認と歯のクリーニングを行っています。健康を増進し、病気を予防することにつながりますので、歯の検診も健康への投資と考えてもいいのではないでしょうか。
歯周病予防の家庭でできるセルフケアの代表として、歯ブラシによる歯磨きがあります。1日2回以上磨いていても、磨き残しが多いのが現実です。磨き残しが多く、歯垢がたまりやすい歯と歯茎の間、歯と歯茎の境目、奥歯のかみ合わせなどを重点的に一本ずつ丁寧に磨きましょう。特に就寝中は唾液の分泌が減ることで、口の中の細菌が増えやすくなりますので、就寝前には必ず磨きましょう。また歯ブラシは少なくとも1ヶ月に1回は新しいものと交換し、効果的に歯磨きができるようにしましょう。最近では電動歯ブラシも虫歯予防・歯周病予防に効果的であるといわれています。より丁寧に磨きたい人は取り入れてみてもいいのではないでしょうか。また、自分にあった歯磨きの方法や自分で取り除くことができない歯垢や歯石などを除去、歯垢をつきにくくするなど、歯科医師などの専門家のサポートも欠かせません。家庭でのセルフケアと歯科などでの専門的なケアを上手に組み合わせて、健康な歯を守りましょう。
参考資料:http://www.8020zaidan.or.jp/ からだの健康は歯と歯ぐきから
人は寝不足になると、不愉快な気分になったり、集中力に欠けたり、意欲低下が起きたりします。これは、身体ではなく脳そのものの働きが低下し、脳が休息を要求しているために起きると言われています。
人の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類が組み合わされ構成されています。この2種類の眠りが約90分で1つの単位を作り、いくつかの単位がまとまって一晩の睡眠を作ります。そのため、この1つの単位の終わり頃は目覚めやすくなり、90分の倍数で起きると目覚めが良いとされています。また、最初の3時間に質のよい睡眠がまとめて出現すると言われています。
人の睡眠の調節の1つにサーカディアンと呼ばれる生体リズムがあります。本来人の生物時計は1日25時間なので、地球の自転、1日24時間に合わせてリセットしています。この1日24時間に合わせる因子は、昼と夜の明暗の光、運動、学校、仕事、温度や湿度、周りの音などがあります。眠気はこのリズムにより時刻とともに変化しますが、朝光を浴びる、運動をするなど環境を整えることで、睡眠リズムをより調節しやすくなります。
他にはホメオスタシスと呼ばれる、体内の状態が一定に保たれることによる調節機能もあります。この働きによって脳は、先行する睡眠不足量を基に、その後の睡眠の質と量を決定します。つまり、昨日寝不足であった場合、今日の寝入り数時間に連続した深い睡眠が多くみられます。こうすることで、昨日の睡眠不足を補い、寝不足は解消されます。寝だめが出来ないのは、この機能が過去の情報に基づいて働くので、未来の事情を取り込んで眠りの先取りが出来ないためです。
その他にも、体内の神経伝達経路やホルモンなど、色々なものが睡眠を調節しています。
それでは、睡眠が障害される病気をいくつか見てみましょう。
【睡眠時無呼吸症候群】:眠っているときに息の止まる病気。タイプは、気道が閉塞してしまうもの、呼吸をしろという指令が出なくなるもの、その両方が順にみられるものの3つ。肥満、下あごが小さい、扁桃肥大、二酸化炭素濃度などが関連していると言われ、治療はマウスピースやCPAPと呼ばれる強制的に呼吸をさせるものを使用、ダイエットなど。
【ナルコレプシー】:何の前ぶれも無く突然眠り込んでしまうという睡眠発作のために居眠りを繰り返す病
気。10?30代に多く、治療は薬や生活指導(昼寝の推奨、夜更かし防止など)。
【むずむず脚症候群】:眠るために横になると脚がむずむずして、足を動かさずにはいられない病気。夕方から夜に起こることが多く、中年以降に多い。
他にも多くの睡眠障害がみられますが、共通しているのは質のよい睡眠確保が難しく脳の働きが低下し、それに伴う過眠や不眠、昼間の眠気、集中力の低下や頭痛など、様々な症状が現れます。また長期に及ぶ睡眠不足や睡眠の質の低下は、うつ病にかかることが分かってきました。不眠はうつ病の主な症状の1つで、どちらが原因でどちらが結果なのかは定かではありませんが、うつ病との併発率は大変高くなっています。睡眠不足や睡眠の質の低下は、身体の健康にも心の健康にも影響を及ぼしてしまいます。
一般的に睡眠時の呼吸機能は女性よりも男性の方が弱いため、睡眠障害は男性が多く、時に社会生活が困難になったり、大きな事故を起こしてしまうことがあります。
特に睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、脳卒中、心疾患などを合併します。重症の睡眠時無呼吸症候群になると、9年後には4割の方が亡くなったという報告もあります。心当たりのある方、激しいいびきのある方、十分眠っても眠気の強い方は、一度専門医に相談してみましょう。
以上を踏まえて、私たちが出来るよりよい睡眠を得るための条件を確認しましょう。
1)睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
睡眠時間は個人差が大きく、年齢、時代によっても平均睡眠時間は異なります。自分にあった睡眠
時間を確保しましょう。
年齢を重ねると、必要な睡眠時間は短く、眠りは浅くなるのが一般的です。
2)昼寝をするなら15時前の15-30分
午後、比較的に早い時間の30分程の昼寝は、体力を回復し、頭をスッキリさせます。長い昼寝時間
や、遅い時間の昼寝は夜間の睡眠に影響が出てしまいます。
3)就寝時間にこだわりすぎず、眠くなってから床に就く
眠れないのに床の中で悶々とすると、次第に床の中=悶々とつらい時間を過ごす場所、という印象
が出来、布団に入ること自体が不安の原因になることがあります。自分にあった時間に眠るように
することも大切です。また、眠りの浅いときは積極的に遅寝・早起きにしてみましょう。
4)光の利用でよい睡眠
朝強い光を浴びた体は活動をはじめ、14-16時間後に眠る準備を始めます。強い光を浴びることで
生体リズムを24時間リズムに近づけます。
5)刺激物を避け、眠る前は自分なりのリラックスを
就寝前のコーヒーなどのカフェインやタバコなどの刺激物、熱すぎるお風呂などは控えましょう。
ゆったりストレッチ、アロマで読書など、自分なりのリラックス法を見つけましょう。
6)毎日、同じ時間に起床。規則正しい3度の食事と、規則的な運動習慣
規則正しい起床と食生活は規則正しい睡眠習慣と生体リズムを作り、適度な運動は睡眠の質を向上
させます。
7)寝酒はかえって不眠の元
寝る前の一杯は、多少入眠しやすくする効果があると考えられています。しかし、様々な研究結果
から、睡眠が浅くなったり、いびきをかきやすくなったり、比較的早く目が覚めるなど、睡眠テストでも
睡眠への悪影響が報告されています。
8)睡眠中の激しいいびき、呼吸停止、足のびくつき、むずむず感は要注意
病気が隠れている可能性があります。医師に相談しましょう。
心身の疲れをとるためにより良い睡眠時間を手に入れられるよう自分に合った方法を試してみること
をお勧めいたします。
〈参考文献〉好きになる睡眠医学 内田 直
スリーピーのスイミン物語 立花 直子
http://jssr.jp/
http://kaminsho.com/
http://www.suimin.net/
3月に起こった東日本大震災以来、放射線についてのニュースが続いています。そこで気になるのが医療の場で受ける「放射線」、ではないでしょうか。今回は主に健康診断で行われる検査に関する放射線について取り上げてみました。
●放射性物質・放射能・放射線、違いをご存知ですか?
放射性物質...放射線を放出する性質を持つ物質
放射能...放射線を常に出し続けている物質の性質
放射線...放射性物質が発した線
ニュースで問題とされているのが地震のために放射性物質が飛散し、放射線を24時間出し続ける物質が、空気中に漂ったり、人体に付着したり(外部被曝)、体内に取り込んでしまい(内部被曝)、全身に浴び続けてしまうということです。
健康診断で受ける胸部エックス線検査や胃部エックス線検査等で使用している放射線は、その瞬間のみの被曝ですので、物質が人体に付着したり、蓄積したりすることはありません。
●放射線はどのような検査にどれくらい使われているのでしょうか?
医療の場で放射線が使用されると『医療被曝』と呼ばれます。必要な部位に必要な時間だけ放射線をあてる最小限の被曝です。胸部エックス線検査では体の位置を整えた後は、瞬きをするような瞬間で検査は終わります。その間、約0.1mSvの放射線を使用しています。その他に健康診断で主に行われる検査としては、マンモグラフィー検査で約3mSv、CT検査で約20mSv以下、胃部エックス線検査で約50mSv以下、などです。ただし、検査機械や受診者の体型により、多少の違いはあります。ちなみに、超音波検査(エコー検査)や体脂肪検査、MR検査では放射線は使用されていません。
これだけ聞いてもその放射線が多いのか少ないのか分かりませんね。日常生活で比較に用いられる値を見てみましょう。
●日常生活を送る中でも放射線を受けている?
人は日常生活を送る中で『自然放射線』を受けています。自然放射線とは宇宙から降り注ぐだけでなく、大地や大気、食物などからも受けています。1年間に受ける放射線は世界平均で2.4mSvといわれています。地域によって差があり、世界には10mSvといわれる国もあります。また、東京―ニューヨーク間の航空機での往復では地上に居るよりも宇宙線の影響が増えるため約0.2mSvといわれています。胸部エックス線検査より多いですね。
それでもやっぱり放射線の検査を受けたほうがいいのかな...と不安な方も居るのではないでしょうか。
●検査を受けることでのデメリットとメリットは?
放射線の影響として例を挙げると、白血球の減少は1000mSv、吐気や嘔吐などは2000mSvと、健康診断で行われる検査とは桁違いな放射線を一度に受ける場合といわれています。また、発癌の危険性が約3%高くなる可能性があるという報告もあります。確かに、放射線を使用するので全く影響がないとは言えません。ただ、人は怪我をして傷ができると日が経つにつれてほとんど何もなかったように回復するのと同様に、放射線によって影響を受けた細胞も日々再生されます。医療被曝は被曝というデメリットもありますが、それ以上に健康に関する外見上では得られない重要な情報(日本の死因30%を占めている癌やその他の疾患を早期発見する)が得られるという大きなメリットがあります。
健康診断で使用される放射線は検査中の限られた時間、必要な限られた部位への被曝であり、医師や放射線技師によって管理された、必要最低限の放射線量ですので、安心してお受けいただきたいと思います。
〈参考文献〉
http://www.rerf.or.jp/index_j.html
http://ameblo.jp/retsnom511/image-10858125680-11159182872.html
http://1kampo.com/radioprotection/radioprotection.html
看護学大辞典第4版
医療領域の放射線管理マニュアル
<新生活健康応援プラン>
まだ寒い日もありますが、次第に春らしい陽気になってきましたね。春といえば、卒業、就職、転勤、部署異動など公私共に変化のある季節です。新しい環境に慣れるまでは、不安と緊張でストレスを抱えたり、体調を崩したりすることがあります。
こころもからだも健康的な新生活を送ることができるよう私たちも応援します。
★ 規則正しい食生活を心がける
規則正しく1日3食摂ることは、体温を上昇させ体の動きが活発になります。また、集中力アップに繋がり、元気良く1日を過ごすこともできます。特に朝食は車のガソリンと同じです。しかし、「朝は時間がなく忙しい」、「食欲がない」、「作るのが面倒」といった理由で朝食を抜いてしまう人は多いのではないでしょうか。朝から全く食事を口にしないより、少しでも食べるということが大事です。最初から手のこんだものではなくても良いのです。果物やヨーグルトなど手軽な食品から始めてみましょう。徐々に朝食をとる習慣がついてきたらおにぎりと味噌汁、パンと牛乳などメニューを2品に増やしていき、次のステップとしてもう1品付けることができるようになるとベストです。私のお勧めの朝食は、トーストにチーズをのせて焼くだけの「チーズトースト」や、インスタントのコンソメスープに生姜を少量擦ったものを入れた特製スープです。時間が無いときは前日に朝食を準備しておくのもコツです。1日のスタートのウォーミングアップのためにも朝食をしっかり摂りましょう。
そして、お昼になればオフィス街のあちこちにお弁当屋さんがパラソルの下でお弁当を売っているのを最近よく見かけます。しかも、約250?500円という価格に驚きです。お昼は休憩時間が限られている場合、簡単に手軽に食べることができる外食やコンビニなどのお弁当などは非常に便利ですよね。しかし、これらの食べ物はカロリーも高く、栄養がどうしても偏りがちになります。そこでポイントとして、外食の場合は主菜、副菜、汁物等の皿数が多い定食を選び、揚げ物など脂っこいものは避けましょう。できるだけ野菜を中心としたメニューを選ぶことがポイントです。パスタであれば、クリーム系のパスタよりオイル系で、きのこなど野菜が多く入ったものがベストです。お弁当を買う場合は、和風の焼き魚弁当や幕の内弁当など選ぶことをお勧めします。どうしても時間がない場合は、コンビニでおにぎりとカップの味噌汁または豚汁、副菜のサラダをつけるなど食卓をイメージして選びましょう。
★ 十分な睡眠、休養をとる
不足しがちといわれている睡眠を十分にとることで疲労が回復し、明日への活力にも繋がります。帰宅した後、37?38℃のぬるめのお湯に浸かりながらふくろはぎを指圧し、足の疲れを取り除くことで体が温まり、眠りにつきやすくなります。また、お風呂あがりに体にやさしいハーブティーを飲むとリラックスして寝ることができるでしょう。アンチエイジング効果もあり、こころもホッとします。その日のうちに、その日の疲れをとって十分な睡眠をとることが大事です。
そして、ストレスのサインを感じたら休養をとりましょう。すきな音楽を聴く、読書、家族や気のおける友人とお茶をする、アロマで好みの香りを楽しむなど、リラックスした時間を過ごすことでストレスを軽減することができます。休日には、近場の日帰り温泉に行ってのんびりするのも良いでしょう。しかし、ストレスの解消での飲酒や喫煙は、心身の健康を損ねてしまいますので要注意です。自分に合った方法でこころもからだも休養をとりましょう。
★ 適度な運動をする
適度に体を動かすことは、ストレス発散や気分転換になります。お勧めは、ウォーキングです。「歩くたびに美脚、ヒップアップ効果」が期待できる最近話題のシューズを履いて通勤や散歩をするのも良いですね。また、運動がてらいつもと違う道を通ると新しい発見があるかもしれません。デジカメを持って夜の街を散歩することでいつも目にする景色が違って見え、歩くことが楽しくなるのではないでしょうか。何よりからだを動かすことを「楽しむ」という気持ちが大切です。とは言っても、普段の生活に運動を取り入れることが難しい場合は、通勤時に1駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使う、普段より速く歩くなど意識してこまめに体を動かすことを心がけましょう。
ちなみに...私は、通勤時にipodで好きな音楽を聴きながら1つ先のバス停まで歩くようにしています。仕事の帰りは、気分によって通勤時と違う道を選んで歩いています♪
★ 悩んだり困ったりしたときは身近な人に相談をする
新しい仕事や人間関係など環境の変化が多いこの時期は、特に悩みやストレスを抱えることが多くなります。そのようなときは、1人でストレスに耐えながらあれこれ悩むよりも、家族や友人、上司など信頼できる人に積極的に相談することをお勧めします。話を聴いてもらうだけでずいぶん気が楽になります。話をすることで気持ちが整理され、時には良いアドバイスをもらうこともあるでしょう。また、働いている職場の健康管理室や事業所内外のこころの相談室などを利用することも1つの手です。気軽に相談してみましょう。
こころも体調も十分に整え、気分を新たにして新生活をスタートさせましょう!!
参考文献
1)金川克子:最新保健学講座1 地域看護学概論,メヂカルフレンド社,136?177,2009
2)東島俊一:へるすあっぷ21 306(4),株式会社法研,pp12?18,2010
3)東島俊一:へるすあっぷ21 315(1),株式会社法研,pp22?23,2011
中央労働災害防止協会:派遣労働者のためのこころの健康きづきのヒント集,2010
膝痛はあなたの生活行動範囲を簡単にせばめてしまいます。痛みのせいで、健康の為にと頑張っていた運動を止めてしまったという声をよく耳にします。
◇まずはチェック
※こんな症状を感じていたら要注意!
□歩き始めると膝に痛みを感じる
□階段の昇り降りの際に膝に痛みを感じる
□正座がしづらい
□膝関節に腫れ、左右差がある
□膝の内側を押さえると痛みがある
□朝起きて歩き始めたら膝に違和感がある
1つでも該当したら、この記事は要チェック!
◇中高年になって膝が痛む原因ナンバー1
「変形性膝関節症について」
*わが国の要治療者は約700万人*
◇どんな病気?
何らかの原因で関節の軟骨が傷んで、すり減ると、人間の体はそれを修復しようとします。しかし、正常な状態に修復することはできず、負担のかかっていない部分に異常軟骨などを形成し膝の変形が進みます。このような変化に伴い、関節内の滑膜という組織が炎症を起こし、関節内に水が貯まります。この関節の変形に膝の痛みが伴った状態を「変形性膝関節症」と呼びます。
◇どんなひとが発症しやすいの?
・運動や仕事で膝を酷使してきた方
・体重がオーバー気味の方
・O脚
・中高年になって急に運動を始めた方
・膝の慢性的疾患やけが
残念ながら、摩耗した軟骨や変形した関節を元通りにする治療法はありません。
変形性膝関節症では痛みや症状を和らげ、今以上に病状を進行させないことが重要です。
◇自分でできる膝のケアポイント
1.日常生活の改善
・体重がオーバー気味の方は、標準体重を目標に減量する
・翌日膝が痛くなるほど歩かない
・自分の足に合った靴を選ぶ(O脚の方は特に専門家のアドバイスが有効です)
・エレベーター、エスカレーターを積極的に利用(階段を降りる時には体重の3倍も の荷重がかかると言われています)
・正座は避ける(和室の場合は一言断って、足をくずす位の気持ちをもちましょう)
・時に重い荷物は人に任せる
・洋式トイレを使用する
2.膝の周りの筋肉強化
・自宅でできる太ももの筋力強化
?.仰向けに横になり、膝の下にバスタオルを挿入
?.その足を10センチほど上げて5秒間キープそれを1日に20回を数セット
・水中ウォーキング
3.温熱療法・冷却療法
暖めることで関節の痛みを緩和し、血流がよくなります。
サポーターや入浴が効果的です。
注意:痛みが強い時、膝に熱を持っているときは冷シップの方が効果的です。
4.膝をいたわる装具や補助具の使用
杖や自宅に手すりを付けるなど補助装具を使用し膝の負担を軽減しましょう!
5.最重要!まずは、専門医(整形外科)で診察
自己判断や無理をすると症状が悪化し、歩くのも辛くなることがあります。
◇おわりに
痛みが強い場合は時に安静を要することもあります。しかしいつまでも安静にしていると筋肉や関節が硬くなり、膝にとっては逆効果です。自分の膝に合った効果的な治療法を知り、がんばってきたあなたの膝をいたわってあげましょう。
今年の健診はもう受けられましたか。「お腹周りが大きいです。」「コレステロールがちょっと高めです。」などなど、気になる一言に落胆。何とかしなくてはと思っていらっしゃる方はいませんか。日中はまだまだ暑いですが、もうすぐ朝晩は爽やかな風を感じられる季節になりますね。ウォーキングをしませんか。
今回は誰でも気軽にできるウォーキングのポイントについてです。
1、ウォーキングの基本
・ウォーキング前後にストレッチをしましょう。けがや筋肉疲労を防ぎます。上半身と下半身をつなぐ腰や股関節のストレッチが重要です。太ももや足首、アキレス腱、肩関節もストレッチしましょう。
・目線は前に
背筋を伸ばして、10?15m先を見るようにしましょう。腰が反らないように注意。
・腕は大きく振って
肩の力を抜いて、脚の動きに合わせて自然に大きく振りましょう。速歩の時は、腕を直角に曲げて、軽くこぶしを握って。
・自然な歩幅で
大股は膝や腰への負担が大きいので自然な歩幅で歩きましょう。
2、ウォーキングのポイント
・いつ行うか?
起床直後、空腹時、就寝直前は避け、ご自身のライフスタイルに合わせて行いましょう。
・運動の時間は?
1日20?30分行うと効果的です。まとめて20?30分の運動時間がとれない人は、数回に分けても大丈夫。
・運動の頻度は?
運動の効果が続くのは1?2日。できれば1日おき、週3?5日くらい実施しましょう。
・運動の強さは?
「楽である」?「ややきつい」と感じるくらいの感覚(ニコニコペース)が理想的です。仲間と一緒に歩くのも楽しいですね。会話ができる程度がニコニコペースです。
・活動力アップ術
歩数計をつけると歩く意識が高まったり、行動パターンが分かるのでおすすめです。自分がどのくらい歩いているのかを確認して、歩数目標をたてましょう。
・消費カロリー計算
速歩10分でおおよそ体重分の消費kcalになります。
3、ウォーキングの注意点
・自分の足にフィットした靴を選びましょう。
・体温の調整ができる服を選びましょう。
・水分補給をしっかりしましょう。喉が渇く前にミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲みましょう。
・交通事故にはご注意ください。夜間実施される場合は、ライトなどを携帯しましょう。
・胸が痛い、圧迫感がある、頭痛やめまいがする、冷や汗が出るなどの症状が出た場合はすぐにウォーキングを中止しましょう。
・高齢の方や持病のある方は、ウォーキングを始める前に主治医に実施可能かどうかご相談ください。
・膝の痛みがある場合、無理は禁物。※水中ウォーキングやサイクリング(平坦な道)は膝への負担が少ないです。
4、日常生活で歩きを増やすコツ
「ウォーキングが体にいいのは分かるけれど、忙しくてやる暇がない、億劫だ。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。工夫次第で時間は作ることができます。まとまった時間がとれなくても、短時間ずつ数回行っても大丈夫です。また、ある程度の強度の生活活動にも運動効果はあります。
・家にいることの多い主婦の方へ
買い物には歩いて行ってみましょう。お子様と遊んだり、掃除などの家事にも運動効果があります。それに加え、週に数回はストレッチや運動目的のウォーキングを行うとよいでしょう。
・働いている方へ
一駅手前で電車を降りて歩く、普段自転車で行く場所に歩いて行ってみる。エレベーターを使わずに階段を使うなどで歩く習慣をつけてみましょう。その際は、ウォーキングのポイントを意識すると効果的です。それに加え、時間のとれる週末にはストレッチや運動目的のウォーキングを行うとよいでしょう。
ウォーキングは続けることで効果が出るものです。無理せず気楽に行い、元気な体を作りましょう。
参考文献
1)厚生労働省:健康運動施策の推進
2)日常ウォーキングで免疫力がアップする.長坂靖子監修.東京:株式会社学研パブリッシング:2010
新年度を迎え、すでに健診を受診された方も多いと思います。健診は毎年同じ時期に受けられると思いますが、みなさんは年一回の健診をどのような気持ちで受けていらっしゃいますでしょうか。
「忙しいからさっさと終わらせたい!」あるいは「時間をかけても良いから全身くまなく調べてもらいたい。」など、いろんな思いで健診を受けに来られていると思います。
また、病気や検査の知識については、詳しい知識をお持ちの方や普段病気と縁がないのでよく知らないと話される方など健康観も千差万別です。
健診の目的は
1.生活習慣病をはじめ疾病の早期発見と早期の対策を行う。
2.定期的に健診を受けることで自分の体の変化を把握し、生活習慣を改善したり
改善の効果を確認する。
3.労働安全衛生法における健診では就業上の適切な措置を判断するために活用される。
以上のことがあげられます。
そこで今回は、健診に関心がある方もそうでない方も、健診を受けるにあたってこれだけは知っておいていただきたいというポイントを4点あげたいと思います。
1.健診機関の選び方
2.検査前に守っていただきたいこと(より正確な検査結果を出すために)
3.結果報告書から見ていただきたいこと
4.見つかった病気は早めに受診して対策を!(早めの対処で医療費を安く)
1.健診機関の選び方
健診機関の形態には、病院系列の1つとして健診部署があるところや健診のみの機関などがありますが、大切なのはある1つの機関を決めて常連客になることです。そうすると、健診結果の変化を以前の結果と比較して見ることができますので、病気を早期に発見でき易かったりライフスタイルを改善するきっかけになったりもします。
日本ではまだ検査法が統一されていませんので、機関ごとに検査試薬や測定方法が異なり、判定基準も違います。そのため、たとえ同じ人の血液でも異なる数値や判定が出てきたりします。
したがって頻繁に受診先を変えた場合、数値を見ても前年との正確な比較ができなくなる場合がありますので、検査を受ける機関はできるだけ1つに定めることをお勧めします。
また、検査機器や検査の精度が一定レベル以上にあるのか、医療の専門職のレベルはどうなのかなども大切な要件となります。受診機関が第3者の認証を受けているかなどもぜひ参考にされることをお勧めします。
2.検査前に守っていただきたいこと
1)絶飲食の原則
以下の注意事項は必ず守るようにしましょう。
(健診前夜のご注意)
夕食は午後9時ごろまでに消化のよいものをお召し上がりください。
お茶かお水は、就寝前(目安として午前0時)まで摂っていただいて結構です。
(健診当日のご注意)
水分・食事・ガム等を摂らず、また煙草も吸わないでください。
食事を抜くのは意外と苦しいものですが、大事な理由があります。
・飲食直後の血液は脂肪分などが浮遊していますので、検査しても正しいデータが得られないことがあります。
・胃の中に食物が入ると胆のうが胆汁を出して収縮しますので、腹部超音波検査では正確な画像が得られません。
・ガムやタバコは胃の壁を刺激して胃液がたくさん出てしまいますので、胃の壁にバリウムがつきにくくなり正確な画像が得られません。特にタバコは胃の痙攣や嘔吐反射が強くなりますので、胃カメラを受ける方も検査が終了するまでは禁煙してください。
2)薬は飲まないほうがよいか?
・血圧の薬...少量の水で服用可。
負荷心電図検査、肺機能検査、胃レントゲン検査などは、検査中に血圧が高くなる
場合がありますので、リスクを回避するために少量の水で飲んできていただくこと
をお勧めします。
・血の塊をできにくくする薬(抗凝固剤)や抗てんかん薬など
...主治医の指示がある場合は少量の水で服用可。
薬を服用しないことで症状が出る場合がありますので、必ず当日朝の薬を服用しな
くてもよいかどうか主治医に相談し、指示に従ってください。
3.結果報告書から見ていただきたいこと
まずは、以下の3点に注意してみてください。
1)自覚症状はないが、検査結果から精密検査や治療を必要とするものがあるかどうか。
2)すでに「異常あり」と指摘されている検査データが、前回のデータに比べて改善したのか悪化したのか。
3)「異常なし」と判定された検査結果でも、前回データに比べて改善したのか悪化したのか。 血糖、脂質などは、基準値の範囲内でもじわじわと右肩上がりになり、いずれ疾病と判断されるレベルまで上昇してくる場合があります。数値が毎年どう変動しているかを観察すること、すなわちデータを毎年、前年の結果と比較することは自分の健康状態を正しく把握し、より健康なライフスタイルを送るための重要な手がかりになります。
4.見つかった病気は早めに受診して治療を!(早めの対処で医療費を安く)
たとえば、糖尿病が見つかっても初期であれば、薬によるコントロールはほとんど必要ありません。日ごろの食事療法と運動療法で、糖尿病の進行は妨げることができます。つまり、お金をかけずに健康を維持することができるのです。しかし、そのまま放置して同じような生活を送り続けると、10年後には3大合併症である神経障害や網膜症、腎障害が起こってきます。その結果、医療費は莫大にかかってしまいます。
「再検査をお受けください」もしくは「精密検査をお受けください」というコメントがあった検査については、必ず早めに受診して病気の有無を確認し、もし病気が見つかればどう対処するのかをしっかり医師から聞きましょう。また、前回精密検査を受けて異常なしと言われていても人間の身体は変化していますので、その都度詳しい検査を受けておくことをお勧めします。
なお、がんや伝染性の病気が疑われた場合、重症の糖尿病や肝機能障害など早く精密検査を受けたほうがよい所見が発見された場合には、結果報告書が届く前に電話で当センターよりお知らせしております。もしも電話連絡を受けられたら軽く捉えずに速やかにご受診ください。
当総合健診センター職員一同、皆様が人間ドックや定期健康診断の結果を効果的に活用して、よりよい健康生活を送ることができますよう願っております。
参考文献:健康診断・人間ドック「気になる」疑問 鷲崎誠 角川書店
健康診断・人間ドックが病気をつくる 中原英臣 矢島新子 ごま書房
子宮頸がんは予防ができるがんです。それは子宮頸がんの原因やがんになる過程がほぼ解明されているからです。定期的に検診を受けることで、がんになる前に発見し子宮を失わずに治療することが可能です。しかし、子宮頸がん検診の受診率は欧米で70%以上であるのに対し、日本では20?30%ととても低いのが現状です。検診を受けなかったために、防げるはずのがんになってしまうのはとても残念なことです。
【20代、30代の女性に子宮頸がんが増えている】
感染から子宮頸がんの発症までには長い期間がかかるので従来の発症ピークは40代が多くなっていましたが、最近では20?30代に急増しています。これはこの年代層の検診受診率が低いことと、性体験が低年齢化しているためと考えられています。特に、20歳代の女性で子宮頸がん検診の受診率は11%という極めて低い状況です。
【子宮頸がんの原因は】
子宮頸がんの主な原因は、性交渉によって感染するヒト・パピローマウイルス(以下HPVという)です。
このウイルスは性交渉の経験のある女性であれば、誰でも感染しうるとてもありふれた存在です。HPVに感染しても多くの人の場合、ウイルスは体外に排出されるので一過性の感染に終わります。しかし、その中の約10%の人がウイルスを排除できず、持続感染が続くと、子宮頸部に「異形成」という異常な細胞がでてきます。異形成になってもその一部は自然に消退する場合があります。しかし中には、6?10年もの長い期間を経てがんに進行するものもあります。
【HPV検査とは】
HPVには100種類以上のタイプがあります。その中で16型、18型をはじめ10数種類が子宮頸がんに深く関係のあるタイプとして知られ、ハイリスク型のHPVといわれています。HPV検査では、主な原因となる13種類のハイリスク型HPVを検出することができます。
検査方法) 子宮頸がん検診(細胞診)と同時に行うことができます。2つの検査を併用することで検診の精度をあげられることがわかっています。
検査結果) 子宮頚部の細胞がHPVに感染していなければ「陰性」、感染していれば「陽性」と診断されます。
「陽性」の場合、細胞診の結果と併せて判断する必要があるので医師に相談しましょう。HPV検査が「陽性」であっても、将来子宮頸がんになる危険度をチェックする検査ですから、子宮頸がんになるということではありません。再検査や精密検査が必要と診断された場合は、医師の指示に従ってください。「陰性」の場合も、定期的に検診を受けるようにしましょう。
【HPVワクチンとは】
既に海外の100カ国以上で使用されているHPVワクチンが、ようやく日本でも2009年10月に承認されました。このワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV16型、18型のウイルスに対する抗体をつくらせるワクチンです。半年間に3回のワクチン接種で、発がん性HPVの感染から長期にわたってからだを守ることが可能です。しかし、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。特に性交未経験の10代前半の女性に接種することが推奨されています。またワクチンを接種しても多くのタイプがあるHPVの全ての感染を防げるものではありません。
当会(本部)でもHPV検査およびHPVワクチン接種が可能となりました。
今後はワクチンで感染を予防するとともに、さらに定期的な検診を徹底していくことで、子宮頸がんの予防が可能になると考えられます。
事業場で実施している定期健康診断の項目に婦人科検診はありません。日本人の女性に増加している子宮がん、乳がんを予防・早期発見するためには婦人科検診を受けることが非常に重要です。定期的に受けておられない方はお住まいの市町村や自分が加入している健康保険組合にお問い合わせいただくと検診の実施状況や補助の仕組みがわかります。また当会でも子宮頸がんや乳がんの検診も実施しておりますのでお問い合わせの上受検をお勧めします。
<参考資料>
国立がんセンターがん対策情報センター がん情報サービス
OECD Health Data 2009-Version:June 09
国民生活基礎調査(平成19年)
産婦人科の実際 Vol.58 0.4 2009
http://www.aka-zukin.jp/index.html
http://cervarix.jp/basic_info/about_hpv/index.aspx
暦の上では冬から春に向かっていますが、まだまだ寒い日が続いています。
女性に多いと言われる「冷え」ですが、実は男性にも起こります。今回は「冷える」だけではなく、様々な症状が見られる「冷え性」についてご紹介します。寒さ本番となる季節を迎えますが、暖かい生活を心がけて寒い冬を乗り切りましょう。
【冷えが体に及ぼす影響】気づきにくい冷えに要注意!!
体が冷えると、特定の部分が冷たく感じます。このことには簡単に気がつきますよね。しかし、手足を冷たく感じることだけが冷え性ではありません。体が冷えると、血液の循環が悪くなり、体内のバランスが崩れやすくなります。
「冷え」からくる症状は・・・
・血液の循環が悪くなると、手足の冷え、下腹の冷え、月経痛などの婦人科系の症状
・余分な水分が体内に貯まり、めまいや頭痛、耳鳴り、食欲不振、吐き気などの消化器系の症状
・のぼせや不眠、イライラ
【冷え性チェック】あなたの「冷え」はどのタイプ??
?自律神経失調タイプ
冷え性に一番多いタイプ。何らかの原因で交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血液の循環が 悪くなっているのです。気がつかない間にストレスがたまっていませんか?
□疲れやすい、□疲れが取れずにいつもだるい、□つまらないことでイライラする、
□寝つきが悪い、□激しい動悸が起こることがある、□よく頭痛が起きる
□年中肩こりに悩まされる
?ホルモンアンバランスタイプ
女子は特にホルモン分泌の波が周期的に起こり、肉体的にも精神的にもたくさんの変調があります。決して病気ではないものの辛いものです。
□手足・腰が冷えているのに顔がほてる、□最近、汗をかきやすい、
□憂うつになることがある、□トイレが近い、□月経が不順である、
□年齢は35歳?55歳
?ポンプ力低下タイプ
血液は、心臓のポンプの力と筋肉の力によって、体のすみずみに行き渡るのですが、
その力が弱くてきちんと送れないのがこのタイプです。
□朝起きるのがとても辛い、□胃腸が弱く便通が良くない、□立ちくらみを起こす
□寝不足でもないのに目の下のクマがとれない、□立ったまま靴が履けない
□運動不足だと思う
?貧血タイプ
このタイプの代表的なものが鉄欠乏性の貧血です。各器官に送られていく血液中の酸素量が不足し、うまく栄養が燃焼されないのです。このタイプは手足だけではなく、全身が冷えてしまう ことになります。
□顔色が悪いと言われる、□爪が白っぽい、□偏食がある、
□肌がカサカサしていて荒れやすい、□ダイエットをしている、
□耳鳴りを起こすことがある
【体を冷やさない工夫】
食事 ・体を温める食べ物を積極的にとり、スパイスをうまく取り入れましょう
野菜・・・ねぎ、かぼちゃ、たまねぎ、にんじん、しょうが、とうがらしなど
(ただし、生野菜の取りすぎには注意!!)
果物・・・りんご、ドライフルーツ、梅など
肉・魚介類・・・牛肉、鶏肉、いわし、さんま、鮭、うなぎ、かつおなど
入浴 冷えた体を温めてくれるお風呂。基本は「低温長時間入浴」です。
効果的な入浴方法についてご紹介します。
・38?40℃のぬるめの湯船に15?20分つかりましょう
・下半身を中心に温めましょう
・お風呂上がりは湯冷めしないように、しっかり髪の毛を乾かし、靴下を着用しましょう
運動 運動不足も冷えの原因となります。家でも簡単にできる運動をご紹介します。
・背伸び運動
(かかとを上げたり下げたりする・・・20回2セットを目安にしてください)
・タオルたぐりよせ運動
(床に広げたタオルを足指でつまみ、手前にたぐりよせる
・・・足の指を閉じたり開いたりすると血液の流れが良くなります)
・全身ストレッチ
(仰向けになり、息をゆっくり吐きながら、かかとに軽く力を入れて
ふくらはぎを伸ばす)
服装 基本は「頭寒足熱」「薄着は禁物」です!
・寒いと感じたらまず下半身を温めましょう
(特に足元、腰、おなかを冷やさないように気をつけましょう!)
・きつい下着は血液循環を悪くします、体を締めつけ過ぎないように
注意しましょう
こんな症状があればすぐに受診を・・・
冷えや寒気と同時に次のような症状があれば病気の初期症状の場合があります。
手足の冷え、痛み、しびれ、皮膚の色の変化、汗をかきにくい、皮膚の乾燥、肌あれ、
顔や手足、全身のむくみ、尿の量が減るなど。
まだまだ寒さが続きます。ご自身の普段の生活を振り返ってみてください。生活の中の「冷え」に気づくことができれば、より快適に、また健康に過ごすことができるのではないでしょうか。
<参考資料>
医者以前の健康の常識 平石貴久
よくわかる最新医学 新版冷え症・貧血・低血圧 南雲久美子
忘年会・新年会のシーズン到来です。お酒の席が増え、喜ばれている方・お財布が...と悲しまれている方様々な思いを持たれていることでしょう。中にはアルコールで後悔したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、アルコールとの上手な付き合い方を紹介したいと思います。
【適正飲酒の10か条】 ご存知ですか?
お酒の適切な飲み方、マナー等を周知することを目的として「正しいお酒の飲み方」=「適正飲酒」を以下のようにまとめています。
1. 談笑し 楽しく飲むのが基本です
2. 食べながら 適量範囲でゆっくりと
3. 強い酒 薄めて飲むのがオススメです
4. つくろうよ 週に二日は休肝日
5. やめようよ きりなく長い飲み続け
6. 許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
7. アルコール 薬と一緒は危険です
8. 飲まないで 妊娠中と授乳期は
9. 飲酒後の運動・入浴 要注意
10. 肝臓など 定期検査を忘れずに
しないさせない許さない、未成年者飲酒・飲酒運転
【適量のお酒】 どのくらいかご存知ですか?
適量のお酒はストレスを解消させ、緊張感を和らげ、職場における人間関係構築にプラスに働くことでしょう。
アルコール代謝能は個人差があり、アルコールに強い人・弱い人、また、その日の体調によっても酔い具合が違ってきます。一般的には、2単位ぐらいのお酒が適量と言われています。
お酒の1単位 (純アルコールが20?25g)
ビール (アルコール度数 5度)なら 中ビン1本(500ml)
日本酒 (アルコール度数 15度)なら 1合(180ml)
焼酎 (アルコール度数 25度)なら 0.6合(約110ml)
ウイスキー (アルコール度数 43度)なら ダブル1杯(60ml)
ワイン (アルコール度数 14度)なら 1/4本(約180ml)
缶チューハイ (アルコール度数 5度)なら 1.5缶(約520ml)
適量のお酒とともに栄養のバランスのとれたもの、特にタンパク質や脂質を含んだ食物を食べるとアルコールによる胃粘膜への刺激が少なく、アルコール吸収のペースがゆるやかになります。おなかが空いた状態で『かんぱーい!』まだ本格的に食べる前に何杯か飲んでしまった...は要注意です。できれば乾杯の前に何か食べておくと吸収がゆるやかになってより効果的です(★牛乳や飲むヨーグルトなどはたんぱく質と脂肪が適当に入っていてかつ液体の状態なので胃の粘膜全体に広がりやすくより効果が期待できます。)お酒だけではなく食事も楽しみましょう。
また、お酒を飲むペースにも注意が必要です。急激なアルコール摂取は血液中のアルコール濃度を急激にあげます。早く酔いがまわり、悪酔いに。特にイッキ飲みは急性アルコール中毒を起こし死につながる危険性があります。お酒を飲むペースにも個人差がありますが、くれぐれも無理強いはしないように!
【アルコールの分解】どれくらいの時間がかかるでしょうか?
2単位のお酒なら平均6時間前後かかると言われています。長い時間飲み続けると、自分の適量範囲を超えた酒量になり、二日酔いの原因につながります。翌日の仕事にも影響があるかもしれません。ほどほどの時間で切り上げるようにし、お酒を分解する時間を作るようにしましょう。
お酒は昔から「百薬の長」と言われ、適量を守れば、ストレスを緩和し、医学的にもお酒を全く飲まない人や大量に飲む人に比べ、死亡率が低いと言われています。
お酒の席が増えるこの時期を機会に、お酒との付き合い方を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
そして、お酒を飲む人は定期的に肝機能等の検査を受け、自分の健康チェックも忘れずに!
参考資料
http://www.arukenkyo.or.jp/ アルコール健康医学協会
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b5f.html アルコールの健康影響(健康日本21での検討結果から)